ちょっと気になるニュースからです。格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンの客室乗務員が、フライトなど長時間の拘束が続く勤務時間中に休憩時間が確保されていないのは労働基準法違反だとして、休憩がない勤務の禁止と損害賠償を求めた集団訴訟の判決で、東京地裁は4月22日、安全配慮義務違反を認め、休憩の付与と賠償を命じました。労基法の施行規則で、長距離乗務している場合には休憩時間を与えないことができるとする規定の適用が主な争点となったところです。高瀬保守裁判長は、原告らの勤務実態を検討した結果、この規定は適用されないと判断しました。

補足しますと、労働基準法施行規則
第三十二条 使用者は、法別表第一第四号に掲げる事業又は郵便若しくは信書便の事業に使用される労働者のうち列車、気動車、電車、自動車、船舶又は航空機に乗務する機関手、運転手、操縦士、車掌、列車掛、荷扱手、列車手、給仕、暖冷房乗務員及び電源乗務員(以下単に「乗務員」という。)で長距離にわたり継続して乗務するもの並びに同表第十一号に掲げる事業に使用される労働者で屋内勤務者三十人未満の日本郵便株式会社の営業所(簡易郵便局法(昭和二十四年法律第二百十三号)第二条に規定する郵便窓口業務を行うものに限る。)において郵便の業務に従事するものについては、法第三十四条の規定にかかわらず、休憩時間を与えないことができる。
② 使用者は、乗務員で前項の規定に該当しないものについては、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が法第三十四条第一項に規定する休憩時間に相当するときは、同条の規定にかかわらず、休憩時間を与えないことができる。
となっています。争点は第2項で、ジェットスター側は第2項に該当すると主張しているとのこと。これから控訴もするとのことなので、上級審でどうなるかわかりませんが、すこしでも労働環境の改善されればと思います。ちなみに、第1項では、「長距離にわたり継続して乗務するもの」とありますが、これは「運行の所要時間が6時間を超える区間について連続して乗務して勤務する場合」と通達がでていますので、本事件では議論にならなかったようです。
この事件は、これからもウオッチしていきたいと思います。